帝王切開の麻酔 Q&A

Q14. 赤ちゃんに麻酔の影響はありませんか?

脊髄くも膜下麻酔(Q4)や脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔(Q5)では、背中の神経の近くに薬を投与するため、お母さんの全身をめぐる麻酔の薬の量はわずかです。 よって局所麻酔では、赤ちゃんへの影響はほとんどありません。 それに比べて全身麻酔では、お母さんの血液中に含まれる麻酔薬の量が多くなり、それらの一部は胎盤を通して赤ちゃんにも届きます。 しかし赤ちゃんへの影響は、産まれたばかりのときに一時的に、少し眠そうであったり、呼吸が少し弱くなることがあるくらいですし、 薬の影響がなくなればすぐに元気になります(Q13①も参考にしてください)。 手術後に痛み止めを使いながら授乳することを、不安に思うお母さんもいるかもしれません。 しかし、通常用いられる痛み止めならば、内服薬、坐薬、筋肉注射、点滴の薬であれ、赤ちゃんへの影響はほとんどないと考えられます。 したがって赤ちゃんへの影響を心配するあまりに、痛みをがまんする必要はありません。むしろお母さんが術後を快適に過ごし、リラックスして赤ちゃんに接することが、赤ちゃんにとってもよいでしょう。