帝王切開の麻酔 Q&A
Q4. 脊髄くも膜下麻酔とはどのような方法ですか?
図6をご覧ください。 脊髄くも膜下麻酔は、「脊椎麻酔」、「腰椎麻酔」とも呼ばれ、帝王切開ではもっともよく用いられる局所麻酔の方法です。この方法では背中の腰のあたりから脊髄くも膜下腔という場所(Q3「局所麻酔とはどのような方法ですか?」を参考にしてください)に薬を投与します。投与される薬は局所麻酔薬のみ、または局所麻酔薬と医療用麻薬の両方を合わせたものです。
まずベッドの上で横向きに寝て(または座って)、背中をできるだけ丸めた姿勢をとります(図5)。 最初にとても細い針を使って皮膚の痛み止めをします。次に脊髄くも膜下腔に薬を注入するために、細くてやや長い針(脊髄くも膜下針)を刺します。このときはもう皮膚の痛み止めが効いているので痛くありません。針の先が脊髄くも膜下腔まで到達したら薬を注入して針を抜き、処置はおしまいです。通常、数分程度で終わります。
薬の注入を始めるとすぐに、足やお尻が温かくなりビリビリしてきます。やがて足の感覚がなくなり重い感じがして、5分もすれば、お腹から胸にかけて感覚の鈍い感じが広がり, 足が動きにくくなります。帝王切開手術を快適に受けるためには、胸から足先までの痛みの感覚がなくなる必要があります。しかし、触られる感覚、押されたり引っ張られたりする感覚は残ります。
手術が終わったあと、麻酔の効果は胸から消えていきます。そしてだんだんに足も動かせるようになってきます。背中の注射をして数時間後には感覚がもとに戻るのが普通です。