無痛分娩 Q&A

Q18. 硬膜外鎮痛をしてはいけない場合はあるのでしょうか?

お母さんの状態によっては、硬膜外鎮痛を希望してもできない場合があります

血液が固まりにくい場合:

硬膜外麻酔にともなって生じることのある、硬膜外血腫(Q14「硬膜外鎮痛の副作用が心配です」の⑩をご覧ください)は、 血液が固まりにくい状態にあると起こりやすくなります。 これまでに血液が固まりにくい体質だと言われたことがある方は担当医にお伝えください。 また、妊娠やお産の経過中に血液の固まりやすさは変化することがあり、もともと血の固まりにくい体質でなくても、硬膜外鎮痛をすることができなくなることがあります。 通常、硬膜外鎮痛を行う際には、あらかじめ血液の固まりやすさの検査を行います。

大量に出血していたり、著しい脱水がある場合:

硬膜外鎮痛を行うと血圧が急激に低下する危険性が高いため、行うことができません。

背骨に変形がある場合、背中の神経に病気がある場合:

背骨に変形がある場合は、変形の程度や、変形の位置によっては、硬膜外腔に管を入れることがとても難しいことがあります。 また背中の神経が病気に冒されていると、神経の近くに麻酔薬を投与する硬膜外鎮痛は行えないことがあります。

注射する部位に膿(うみ)がたまっていたり、全身がばい菌に侵されている場合、高い熱がある場合:

正常な状態では、硬膜外腔や脊髄くも膜下腔(図 3. 図 4)は、ばい菌のいない場所です。 しかし、背中の注射する場所や全身にばい菌がいる場合は、硬膜外腔に刺す針や管を介して、硬膜外腔や脊髄くも膜下腔にばい菌を持ち込んでしまう危険性があります。

局所麻酔薬アレルギー:

局所麻酔薬に対するアレルギー反応はまれですが、起こると深刻な状態に陥ることがあります。もしも以前に局所麻酔薬に対してアレルギー反応があった場合には、必ず担当医にお伝えください。

上に挙げた状態以外にも、硬膜外鎮痛を行えない場合や慎重に行わなくてはならない場合があります。一度麻酔担当医にご相談ください。