無痛分娩 Q&A

Q2. お産のときはどこが痛いのですか?どのくらい痛いのですか?

図2をご覧ください。陣痛が始まってから子宮の出口が完全に開くまでの分娩第Ⅰ期には、お腹の下のほうから腰にかけて痛みを感じます。 陣痛の始まったばかりの頃の痛みは比較的軽く、「生理痛のような痛み」または「お腹をくだしているときのような痛み」と感じる妊婦さんが多いようです。 それが、お産が進み子宮の出口が半分くらい開いてくる頃に痛みは急に強くなり、また痛みを感じる範囲も広がってきます。 そして分娩第Ⅰ期の終わる頃には、おへその下から腰全体、そして外陰部にかけてとても強く痛むようになります。 このときの痛みを「腰がくだかれそう」という産婦さんもいます。

子宮の出口が完全に開いて分娩第Ⅱ期に入る頃には、痛みは外陰部から肛門の周りで特に強くなってきます。 赤ちゃんの体の一部が子宮から出て、下のほうに降りてくるためです。 赤ちゃんが産まれる間際には、外陰部から肛門周囲の痛みはピークに達します。 「すごく強い力で引っ張られる」、「焼けつくような痛み」と表現する妊婦さんもいます。

また、出産前にお産の痛みがどのくらい強いかを予測することは難しく、一人ひとり痛みの感じ方は異なります。 疼痛質問表(痛みを表現する言葉のなかから、そのときの痛みに最もふさわしい言葉を本人に選んでもらう)を用いて、お産の痛みを調べた研究があります。 これによると、初産婦さんのほうが経産婦さんより痛みを強く感じるという結果がでました。 また初産婦さんにとっても経産婦さんにとってもお産の痛みは、がんによる痛みや関節痛など、とても強い痛みとして知られている痛みよりもさらに強いものでした(※1)。

  • ※1. Melzack. Pain. 19:321-337,1984