帝王切開の麻酔 Q&A

Q10. 帝王切開の麻酔は他の手術の麻酔と違うのですか?

妊娠中の女性の体は、妊娠していないときとは大きく異なる状態にあります。
赤ちゃんを育てるために、心臓や肺の働きは増え、血液の量も増加します。また、妊娠の進行に伴い胃の内容物が逆流しやすくなり、誤って気道に入る危険性(誤嚥)のリスクも高くなります。
さらに、妊娠中はホルモンの影響などにより、麻酔薬に対する感受性が高まることが知られており、通常より少ない量で十分な効果が得られる場合があります。(※1,2)
このように、妊娠は医学的にみても特別な生理状態であり、一般の手術とは異なる配慮が必要です。
加えて、帝王切開ではお母さんだけでなく、お腹の中の赤ちゃんへの影響も同時に考えなければなりません。使用する薬剤は胎盤を通過する可能性があるため、赤ちゃんへの影響が最小限となるよう、薬の種類や量、投与のタイミングを慎重に選択します。
帝王切開の麻酔は、このような妊娠特有の体の変化と母児双方の安全性を踏まえて計画・管理されています。

  • ※1. Hirabayashi Y et al. Br J Anaesth. 75:683–687,1995
  • ※2. Eke AC. J Basic Clin Physiol Pharmacol. 33:581–598, 2022