無痛分娩 Q&A

Q1. どうしてお産は痛いのですか?

分娩は3つの段階に分けられます。陣痛が始まってから子宮の出口が完全に開くまでを第Ⅰ期、その後赤ちゃんが生まれるまでを第Ⅱ期、胎盤が出てくるまでを第Ⅲ期といいます。 分娩第Ⅰ期には、子宮が収縮することや子宮の出口が引き伸ばされることにより下腹部に痛みが生じます。

図1をご覧ください。 子宮の収縮や子宮出口が引き伸ばされることによる刺激は、子宮周辺にある神経を介して背骨の中の神経(脊髄)にまとまって伝わります。 この刺激はさらに脊髄を上って脳に伝わり、そこで痛みとして感じられます。 分娩第Ⅱ期には、腟と外陰部が伸展し、その刺激が腟や外陰部にある神経から脊髄、脳へと伝わって下腹部から外陰部の痛みも感じるようになります。 赤ちゃんがお母さんの体から出てくることによって会陰(外陰部と肛門の間の部分)が急に大きく裂けてしまうことを防ぐために、あらかじめ小さく切開して赤ちゃんが出やすくすることもありますが、硬膜外鎮痛はこの切開の痛みも和らげます。

これらさまざまな部位の痛みは分娩第Ⅰ期から第Ⅱ期で突然変化するものではなく、強さを増しながら徐々に変化していきます。 分娩第Ⅲ期は20分ほどで、通常はあまり痛みを感じません。具体的にどこがどのくらい痛むかについては、次のQ2をお読みください。