Q5.脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔とはどのような方法ですか?

この方法では、脊髄くも膜下腔だけでなく、硬膜外腔という場所(Q3「局所麻酔とはどのような方法ですか?」を参考にしてください)にも薬を投与します。 背中の2か所に針を刺す方法と、1か所に針を刺して脊髄くも膜下腔と硬膜外腔、両方の場所に薬を注入する方法があります。 どちらの方法でも投与される薬は局所麻酔薬のみ、または局所麻酔薬と医療用麻薬を合わせたものです。

背中の2か所に針を刺す方法:

図7をご覧ください。 まず硬膜外腔に細くて柔らかい管を入れます。そのためにベッドに横向きに寝て(または座って)背中を丸めた姿勢をとります(図5)。 最初に背中の真ん中あたりに、とても細い針を使って皮膚の痛み止めをします。そして管を入れるためのやや太い針(硬膜外針)を刺します。 このときはもう皮膚の痛み止めが効いているので痛くありませんが、押される感じはあります。 針の先が硬膜外腔に達したら、その針の中を通して細くて柔らかい管を硬膜外腔に入れます。 その後針だけを抜くと、細くて柔らかい管だけが体に残ります。

次にそのままの姿勢で、最初に管を入れた場所よりも少しお尻に近いほうの皮膚に痛み止めをします。 そして脊髄くも膜下腔に薬を注入するために、細くてやや長い針(脊髄くも膜下針)を刺します。 このときはもう皮膚の痛み止めが効いているので痛くありません。針が脊髄くも膜下腔に達したら薬を注入して針を抜き、処置はおしまいです。

背中の1か所に針を刺す方法:

図4をご覧ください。 まずベッドの上で横向きに寝て(または座って)、背中をできるだけ丸めた姿勢をとります(図5)。 そして最初にとても細い針を使って皮膚の痛み止めをします。そして管を入れるためのやや太い針(硬膜外針)を刺します。 このときはもう皮膚の痛み止めが効いているので痛くありませんが、押される感じはあります。 針の先が硬膜外腔に届いたら、硬膜外針の中に別の細い針を脊髄くも膜下腔まで刺して、脊髄くも膜下腔に薬を注入します。 そして、その細い針だけを抜きます。その後。硬膜外針の中を通して硬膜外腔に細い管を入れ、管だけを残して硬膜外針を抜きます。

背中の2か所に針を刺しても、1か所に針を刺しても、背中の処置は10分から15分以内で終わります。 処置が終わったときには、背中に柔らかい管が残っていますが、針は残っていません。柔らかい管は、背中にテープでしっかりと固定されるため(図8)、背中を下にしたり、体を動かしたりしても大丈夫です。

脊髄くも膜下腔へ薬を注入するとすぐに、足やお尻が温かくなりビリビリしてきます。 やがて足の感覚がなくなり重い感じがして、5分もすれば、お腹から胸までに感覚の鈍い感じが広がり、足も動かしにくくなります。 帝王切開手術を快適に受けるためには、胸から足先までの痛みの感覚がなくなる必要があります。 麻酔を十分に効かせるために、手術が始まる前や手術中に、硬膜外腔に入れた管から追加の薬を足すこともあります。

手術が終わった後は、麻酔の効果は胸から消えていきます。そしてだんだんに足も動かせるようになってきます。 しかし、硬膜外腔に入れた管から一定時間ごとに薬を注入したり、ポンプを使って持続的に鎮痛剤を入れたりすれば、痛み止めの効果は持続します。